しいのき
庭にしいのきの大木があります。
古家を購入したときは周りを壁に囲まれ、太陽の光を求めてよろよろ上へ上へのびていて、しかも基礎のすぐそばに立っていたので根は曲がりくねって、大きく隆起していました。まったく剪定されていなかったようで、葉は屋根を覆い繁り雨樋は葉っぱだらけ、お隣のお宅にも葉っぱが落ちているらしく、出来れば切ってほしいと言われていました。
樹齢は7〜80年はありそうです。切ってしまったほうが家の構造にはよいと素人ながらにもわかるような有様ですが、庭にしいのきの大木があるなんてとっても素敵なことだと思う気持ち、なかなか決められずにいました。両親など、まわりは切った方があとあとよいという意見が多かったのですが、谷重さん、妻と相談した結果、定期的に剪定し落ち葉で困らない、迷惑を掛けないようにして、残してみようということになりました。古い町家を改修することは新築するよりも大変だと思っていたので、ついでに引き受けてしまおうと気持ちの勢いもあったと思います。
剪定は造園家の桝井さんにお願いしました。とても気さくな方で一日かかった作業中ずっと植物のことなどをおしゃべりしながら見学していました。よくよく伺うと中学生のとき教師をしていた伯父に受け持ってもらったことがあったらしく、不思議なこともありました。
樹形も整えられ、まわりの古家も取り壊され太陽の光がたっぷりとあたるようになり、数週間後には新芽がたくさん出てきました。
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